ファッションが教えてくれること (The September Issue)
※ネタバレ注意※
作品の内容に触れますので、未鑑賞の方はご注意ください。
ドキュメンタリー映画自体かなり好きなのですが、特にファッション系のものはそこまでシリアスでなく絵的にも楽しめるので気軽に観られる分何度も繰り返し観ちゃいます。こちらもそのうちの1本!アメリカ版ヴォーグ、2007年9月号の制作と、編集長アナ・ウィンターに密着したドキュメンタリーです。
■September Issueとは?
文字通り9月号なのですが、なぜ特別なのか?それは、アメリカのファッション業界において秋冬シーズン立ち上げに伴い1年で最も広告が多くなる号なんだそうです。こちらの作品で密着した2007年9月号は、なんと840ページ!
■アナ・ウィンターの敏腕っぷり!
企画を練って、準備をして、お金をかけて撮影した写真をばっさばっさとボツにしていくところを見ると、あぁ勿体ない、どれも素敵なのに…とつい思ってしまいますが、今やるべき企画か?どんな雑誌にしたいか?明確なヴィジョンが見えているんだなぁと感じます。雑誌編集を通じてここまでファッション業界全体への影響力を得た理由がわかります。
アナへのインタビューで好きなやりとり。「強みは?」「決断力」「弱みは?」「子ども」「1番の願いは?」「テニスの上達」
ワンピースにボブヘア、サングラスがトレードマークのアナですが、自宅での撮影らしきインタビューでボーダーカットソー着ている時があり、リラックスしていてとても素敵でした。
■もう1人の主役、グレイス・コディントン!
モデルからディレクターへ転向、ヴォーグで働くこと26年、アナ・ウィンターの右腕として知られるグレイス・コディントン。密着カメラの前でも自然体で、この映画を観ると彼女のことが好きになります。常に冷静で、余計なお喋りをしないアナと好対照。
ヴォーグで働く方々にとってアナは神様のような存在で、アナが気に入らなければ紙面には載らないし、制作に影響を受ける人が大半だと思います。が、グレイスは多分違う。もちろん最終決定権はアナにあり、譲る場面も多々あるでしょうけど、自分がいいと思ったらいい!という信念が見受けられ、制作もとにかく楽しそう。映画の中で出てくる企画、全て素敵でした。
特に好きだったのは20'sをテーマにした写真たち。
■その他のおすすめ。
ファッション系ドキュメンタリーで1番好きなのは、「ディオールと私」!ラフ・シモンズがデザイナーに就任してからコレクション発表までの8週間に密着した作品です。